製造業界におけるジェネレーティブ デザインの最新 6 事例

September 11, 2019 Rosa Trieu

この数年の間、ジェネレーティブ デザインが製造業界に旋風を巻き起こしている。

これまで目にしたことのないようなデザインを生み出し、既に存在しているアイテムを、より軽量かつ高効率なものに。さまざまな規模のメーカーが、重機からシートベルトまで、あらゆるものにジェネレーティブ デザインを活用するようになってきた。このテクノロジーは、まだ幼年期ではあるが画期的な将来性を持っており、そのクールで予想を超える手腕に業界も注目している。

1. ジェネレーティブ デザインがキーを握るクールで低燃費なカーデザインの未来

Volkswagen Innovation & Engineering Center California は、その設立 20 周年を祝して、同社の DNA を体現しながらも、自動車業界にとって意義深いことを行おうと計画。1962 年製のクラシックなワーゲンバスに、ジェネレーティブ デザインによるホイールリムやドアミラーのアームなど、最先端のテクノロジーを活用したレトロフィットを実行した。

Volkswagen Group of America プロダクト デザイナーのアンドリュー・モランディ氏は「デザイナーの視点から言うと、本当にクールです」と語る。「とても新しくて耽美的ですし、新たなコンセプトにより、今後の乗り物で、もっと目にすることになるでしょう」と述べている。[ビデオを見る]

2. 軽量化のその先へ: デンソーによる先進的 ECU のデザイン

大気汚染や燃料価格の高騰への対策など、自動車の燃費を向上すべき理由は多い。その合理的な方法として、エンジン性能の向上、そして車全体の軽量化が挙げられる。ハンドルやペダルからシート、エンジンやブレーキから小さなネジまで、実に 3 万点にも及ぶ部品が使われている自動車の重量を削減するには、個々の部品それぞれの軽量化が欠かせない。それは、手の平サイズのコンパクトな ECU であっても同様だ。

このECU (Engine Control Unit) とは、エンジンが必要とする燃料を正確に供給する電子制御装置をコントロールする、「エンジンの頭脳」とも呼べるパーツ。燃料噴射の量やタイミングを最適に制御することで走行性能を向上させ、排ガスの有害成分の低減にも貢献する重要な役割を果たしている。株式会社デンソー デザイン部プロダクトデザイン室 商品開発 2 課 担当係長の岡本 陽氏は、農建機向けの小型ディーゼルエンジンに搭載する新たな ECU の開発に際して、従来の手法でデザインしたものに加えて、ジェネレーティブ デザインを活用した、より先進的なコンセプト モデルを作成している。[ストーリーを読む]

philippe starck ai chair

3. アナログなアイデアをデジタルの夢に: フィリップ・スタルクが AI で未来をデザイン

家具や家庭用品からホテル、宇宙旅行まで、あらゆるもののデザインに関わってきたマスターマインド、フィリップ・スタルク。その彼が新たに獲得するのが、AI が人間とコラボレーションを行ってクリエイトし、初めて商品化されるチェアのデザイナーという称号だ。スタルクがイタリアのインテリア ブランドであるカルテル、Autodesk Research とのコラボレーションで生み出したチェアは、「A.I」と命名された。スタルクがチェアに関する包括的なビジョンを提示し、先進的なジェネレーティブ デザイン アルゴリズムが、カルテルが射出成形で製造するための要件を満たすよう、無数のデザイン オプションを出力している。

印象的なデザイン作品を生み出すスタルクも、人間の想像力には限りがあることを自ら認めている。「今後優れた AI が到来すれば、そうした状況も変わるだろう」と、スタルク。「何年か経てば、このツールで、クリエイティブな潜在力を向上できるようになるかもしれない」。[ストーリーを読む]

4. ヒューマノイド ロボット デザインの大きな飛躍が人体に意味すること

Roboy 2.0 はドイツの大学で行われている、人間にできるだけ似たロボットをデザインする意欲的な学際的プロジェクトだ。既に自転車を乗りこなしており、握手をしたり、話したりできる。Roboy 2.0 は近いうちにスタンドでアイスクリームを提供できるようになり、2020 年までには基本的な医療診断を行えるようになる計画だ。

エンジニアたちは、一般的なロボットのように関節を単にモーターで置き換えるのではなく、3D プリントやジェネレーティブ デザインなどの先進的なテクノロジーを用いて骨や筋肉、腱を再現している。このプロセスは、重要なコンポーネントの重量を大幅に削減しつつも、同時に安定性を維持して、Roboy をさらにアジャイルなものにするのに役立てられた。[ストーリーを読む]

5. 脊椎を守る新たなバックプロテクターでヘルメット以上の安全を提供

スポーツに関連する脊椎損傷 (SCI) の発生率が高い多くの国で、脊椎を守るバックプロテクターの基準がほとんど整備されていないことをご存じだろうか。このギャップを埋めるべく、オーストリアのデザイン スタジオ Edera Safety は、エクストリーム スポーツ選手向けの安全ベルトを開発。脊椎損傷に関する研究を活用し、Edera はジェネレーティブ デザインを用いて SCI 防止に役立つ最良のソリューションにたどり着いた。ジェネレーティブ デザインは、一連の力とエネルギーが身体のどこに作用するのかというシステムの計算に基づいて、必要な材料の量を減らすのに役立った。

「このプロセスがなければ、より多くの材料が必要になった可能性があり、より重いものになったかもしれません」と、シュテーグラー氏。「負荷の量、必要な材料の厚みに関する回答を得ることができました。それを最終製品にどう実装するかは、それぞれの判断次第です」。[ストーリーを読む]

6. 工業生産界の恐竜、Claudius Peters が絶滅を回避する 5 つの手段

Claudius Peters は、セメントや石膏、鉄鋼からアルミ プラント向けのマテリアル ハンドリング、材料加工システムを手がけるドイツ発の大手メーカーだ。その歴史は 100 年を超える。その最高デジタル責任者兼運営ディレクターは、高齢化の進む同社の存在意義を保つべくジェネレーティブ デザインを採用し、「デジタル イノベーションにおけるグローバル リーダー」としての地位の確立を目指している。

Claudius Peters のデザイナーは、ジェネレーティブ デザインの当初の検証の際、製造コストが高額で重量のある大型鋳物部品に重点を置いた。エンジニアたちは、4 時間のトレーニングを受けた後、25% の軽量化を達成する代替部品をデザイン。有限要素法 (FEM) 分析により、鋳造ではなくレーザーカット加工された板金の溶接によって、より強力かつシンプルで、コスト効率の高い新たなパーツを作れることが示された。[ストーリーを読む]

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